2011年3月28日月曜日

お金がすべてを解決するか?!

2005年のCPA(包括的和平合意)以降、石油収入やドナーからの援助によって南部スーダンには多くのお金が入っているはずなのに、一般市民レベルではその恩恵を感じている人達は少ないと言う。
南部スーダン政府はこの点に大きな懸念を抱いている。
また、今年の7月に南部スーダンが独立して、その後1年以内に何らかの「恩恵」を人々に感じさせることができなければ、人々は南部スーダン政府に落胆し、その結果治安の不安定化等の問題が起きるだろう(だから7月以降の1年が勝負だ!)と南部スーダン政府は考えているらしい。

そのような中で、先日、ある先生の講義をジュバで聞いた。

「途上国の人々には直接現金を渡せば貧困は解決する」という理論をお持ちの先生。
貧しい人々は何にお金を使うべきか知っているため現金を渡せば有効に使われるはずとのこと(子供の教育、食事の改善、通院等)。
多くのGood Examplesのケーススタディもあるという(特にブラジル、メキシコ、南アフリカ)。

最貧困層だけをターゲットにした(ドナーが好むような)プロジェクトや世銀の構造調整は時代遅れで、①できるだけ公平に(例えば対象者は「最貧困層」ではなく、「5歳以下の子供を持つ母親すべて」とする)、②定期的に渡す(例えば毎月)、③分かりやすいシステムを作る(複雑化しない)、④何かできる程度の金額を渡す(はした金を渡さない)、⑤このシステムは政府が運営する(政府の正統性を奪わない)ことが重要だと言う。

そもそも社会インフラが整っていない、また、人口の多くが遊牧民という南部スーダンで、現金を女性に渡したとことで、本当に女性がその使途を決められるような環境があるのか、また、想定されているような効果が出るのかということは十分に吟味する必要があるものの、様々なプロジェクトを南部スーダンで実施中のドナーはこの理論を聞いて心穏やかではないはず…

南部スーダン政府の大臣や次官たちもこの理論を興味深く聞いていたという。

Save the Childrenが北バルエルガザール州でCash Transfer(貧困層に現金を直接渡す)事業を試験的に実施中のようだが、そのインパクトが気になるところ。

こういう理論に出会うたびに、「開発」という試みにはまだまだ「回答」はないのだなぁと思う。
あるドナーの支援地域。
農民をグループ化して大きな土地を共同で耕し、農作物の余剰分をグループ内で蓄えるシステムをつくる。
ドナーの思考錯誤は様々なかたちで続く。

2011年3月6日日曜日

春のおすそわけとマンゴーの季節

日本から春の訪れを告げるメールが届きました。


ジュバは夏真っ盛りで、マンゴーの季節です。

うちのナショナルスタッフは事務所を掃除している間に事務所のマンゴーの木からマンゴーをほとんどとって持ちかえってしまい、事務所のセキュリティーガードはマンゴーに夢中でなかなか通用口を開けてくれません。

そして、南部スーダン政府から土地を借りているある国連機関は、土地使用料とは別に、その土地で年間に収穫可能なマンゴーの数を想定で計算し、その分の代金の支払いも求められているのだとか。

工事等でマンゴーの木の枝を切ることは許されません。

マンゴーを盗むために国際機関の敷地に侵入者が入ったという報告も数多く受けます。

それぐらいマンゴーはこっちの人々の生活からは切っても切り離せないものみたいです!


明日から一週間、調査で地方を訪問する日が続きますが、暑さに負けずに駆け回ってきます。



◎春の一こま@東京
梅のはな
ラッパズイセン