出光の創業者出光佐三をモデルにして書かれた話。
出光佐三さんの目先の利益に捉われない国益を見据えた行動、そして、社員を誰よりも大切にして家族のように扱う姿勢。
ただただ圧倒された。
リスクのない大仕事なんてない。
でも…
一歩間違えれば、国賊扱いをされたり、死が待っていたりする世界…
更には、失敗すれば(自分だけならまだしも)、家族、社員、そして、事業資金を提供してくれた人たちまでも路頭に迷わせることになる。
そんな中でも、自分の信じた道を歩みつづけた出光氏。
「思えば、戦い続けた人生であった」
「苦しみ続けた人生だった」
と出光氏は社長として闘い続けた50年について懐述しているが、本当の英断をし社員と歩み続ける経営者というのは、(華やかに見える裏で)孤独で辛い日々を過ごしているのだろう。
彼の言葉ひとつひとつに凄みがある。
「五十年は長い時間であるが、私自身は自分の五十年を一言で言いあらわせる。すなわち、誘惑に迷わず、妥協を排し、人間尊重の信念を貫きとおした五十年であった」
「たとえ九十九人の馬鹿がいても、正義を貫く男がひとりいれば、けっして間違った世の中にはならない。そういう男がひとりもいなくなったときこそ、日本は終わる」
在るべき社会の姿、国家の姿を思い描き、そこから今の自分の使命を読み取り、それを行動に移していく…その本気につられて多くの社員や関係者が惹きこまれていく…そして、それが最後には国を動かす・国民を勇気づける力になっていく…
こんな人生があったことを知ることができて幸運だった。
彼が社員向けに書いた本『マルクスが日本に生まれていたら』もぜひ読んでみたい。
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