2011年2月13日日曜日

南部スーダンx中国

南部スーダンでの中国人の活躍はすごい。


中華料理屋がジュバだけに6件あることからも中国人の多さが分かる。

首都ハルツームの国内線ターミナルでは、ダルフールや南部の地方都市に行く飛行機に中国人が列をなしている。

南部スーダンの独立後の大型インフラ整備に係る契約を得ようと、中国企業は住民投票の数年前から南部スーダンに入って南部スーダン政府と交渉を始めている。

更に、中国は南部スーダンにPKOを出して現地で表彰されている。

我々日本人が道端を歩いていて、いつも言われる言葉は「ニーハオ!」「チャイナ!!」


そのような中、中国は南部スーダンの農業支援にも乗り出そうとしている。


彼らの基本的な方針は民活だ。

中国政府は南部スーダンと中国の投資家とを繋ぐ役割を担う。

まずは、中国側は農業機械の販売及びメンテナンスのための拠点をジュバに設置し、その後、地方にも拠点を築いていきたいという。そして、その拠点を通じて将来的には余剰生産物を地方から買い取り、南部スーダンから中国に輸入するというダイナミックかつ長期的な構想を持っている。


もちろん、南部スーダンでは物事はそんなにスムーズには進まない。

それは彼らも十分承知している。

そもそも南部スーダン政府の農業省庁の中でカウンターパートを見つけるのも一苦労。

そして、地方の拠点を設置するためには、それなりの数の農民へのアクセスが必要だが、そもそも農民は組織化されていないし、農村から拠点にアクセスするための道路もない。

農民が農業機械を購入するためのファイナンスがない…などなど。


しかし、中国の構想にはスケールがあるし、お互いがWin-Win関係を築けるという夢がある。


確かに中国は一般的な意味での「援助協調」には与していない。

でも、「中国での経験」に基づき、独自路線を突き進み、それが実際に現地では歓迎されている。

世銀(World Bank)の副総裁が南部スーダンを訪問した際のレセプションでも、中国領事館には特別席と発言の機会が用意されていた。


「安かろう、悪かろう」の時代は終わって、中国の援助はtry&errorを繰り返しながら確実に実力をつけてきている。

それを現場で間近に見て感じるのも、なかなか面白い。


南部スーダン政府の建物では中国政府の人たちをよく見かけるし、声をかけられる。

話を聞くたびに、日本と似たような発想(※外からシステムを持ち込もうとするのではなく、先方政府側のイニシアチブを大事にして、得意な分野で支援を行う)で南部スーダン政府に対する支援を行っているなと思う。


なかなか強力な’’ライバル’’だ。

2 件のコメント:

Shin さんのコメント...

中国が国益レベルでWin-Win(Win-loseもよくありますが・・・)を目指して活動している様子を現場で見られるなんて、すばらしい。

中国は近代化で立ち後れしたけど、経済発展を経てこれから数十年レベルで国際リーダーを目指して行く、その先端を垣間みられるのは現場の醍醐味だよね。

内政に多くの格差問題は抱えているものの、都市部に関しては、若者たちへの教育も相当高い水準にし来てるようだし、どんどん外国へ学びに出て行っているし、将来への投資もしっかりされてる。街や人に、斜陽の雰囲気を感じない。

一党独裁におるところも多いとはいえ、その行動力、決断力をもつ中国と、日本は隣国として、先進国の一翼として、協力したり、争ったりが相当多くなるだろうね。

日本は特に若者はうかうかしてられないなあと思ったりします。

Eri さんのコメント...

しんさーん。

学生時代に中国・韓国・日本の学生が集まる学生会議に参加したときに、中国の学生が一番自信に満ちているのが印象的だったなぁ。5年も前の話だけれど。

現場で話していても、学ぶことや共感することが多い。

日本にとってはこれはとってもいいチャンスではないかと個人的には思ってます。欧米のやり方と中国を含む新興国のやり方をみながら、自らの位置を考え直す―机上の空論ではなく、まさに現場で直近の課題として突きつけられているので、しばらく考えてみるつもりです。