2011年7月9日、アフリカで54番目の国、南スーダン共和国が無事に誕生しました。
独立記念式典に向けたパレードの練習をたまたま見かけたときには、様々なグループを代表する人達(軍人、警察、教会、子供、州など)が、独立記念Tシャツや、民族衣装、制服に身を包み、国旗を誇らしげに振るの様子から、これまでの闘いがうようやく終わりを迎え、新しいチャプターがはじまるということを実感し、なんだか涙が溢れそうになりました。
独立前夜は目抜き通りに南スーダンの人達と車があふれ、みんな国旗をふったり、クラクションならしたり、道端を走ったり踊ったりして、独立の喜びをかみしめていることが伝わってきました。
独立記念式典には出席できませんでしたが、独立の次の日に開催された南スーダンVSケニアの親善試合(サッカー)を見に行ったとき、その場で「独立」に沸く南スーダンの人たちとその喜びを少しだけ共有することができた気がしています。サッカーの結果は、南スーダンのチームが2点もオウンゴールをしてしまったため負けてしまいましたが、現地の人たちが誇らしげに国旗を振って、国家を歌い…こんなに南スーダンの人々が熱狂して、また、開放的な雰囲気だったことは過去にはなかったので(常に何らかのテンションが街中にはありました)、あぁ本当にこれが彼らが望んでいたことなのだなぁと肌で感じました。
独立についてはいろんなことを言う人達がいますが、南スーダンのひとたちがずっと望んでいたことなので、今後どんなに長くて険しい道のりが待っていようとも、「自分たちで選んだ」ということがやはり大事なのではないでしょうか。
また、南スーダン共和国の将来に係る話になると、極端に楽観的な議論と極端に悲観的な議論との両方をよく聞きます。メディアも然り、政府の高官も然り。でも、楽観と悲観の間で踊らされることなく、数十年後の国の発展に少しでも繋がるようなドットを現地の人たちと一緒に打ち込んでいければ…と開発援助に関わる者としては思います。
我々外部者にできることと言えば、「希望」を持ち続けながら、この新しい国と向き合っていくこと。そして、「希望」を持って行動し続ける南スーダンの人達の背中をおし続けること―これにつきるのでしょう。
南スーダン共和国大統領の独立記念式典でのスピーチ。
“The night may be too long, but the day will come for sure”.(夜は長過ぎるかもしれないけれど、明けない夜はない)
この言葉をラジオでライブで聞いて、彼らの50年以上に渡る闘いに思いを馳せました。
そして、いろんな思惑があったにしても、(「敵陣」に丸腰で乗り込むような格好になるにも関わらず…)スーダンのバシール大統領が独立記念式典に参加し、スピーチの中で南スーダンの「分離」へのお祝いの言葉を述べ、今後南北スーダンは平和に共存・共栄していかなければならないというメッセージを発信したことは、とても大きな意味があったと思います。
独立を祝う3日間が終ったあと、お祝いの言葉を伝えにいくつかの省庁を訪問したところ、「独立は達成できたので、あとは一生懸命働くことしか残っていないよ」と政府の高官たちは話していました…いつまでも浮かれてはいられないようですね。
サッカースタジアムで応援する南スーダンの人たち
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