2013年2月18日月曜日

0.001のプラスにかける思い

私と同じ歳の山口絵理子さん。マザーハウスという会社の社長さんです。

マザーハウスは、バングラデシュとネパールで現地の人たちが現地の素材でつくった鞄などを日本の直営店やデパートで販売しています。


その山口さんが書いたエッセー『自分思考』。


自分の主観を大切にしながら、多くの失敗を重ねつつ、そして、たくさん傷つきながらも、途上国発のブランドをこの世に誕生させて広めるために、一歩ずつ前進してきた山口さんの人生に対するスタンスや判断基準がよくわかる本。


仕事なんて選ばなければいくらでもあり、また、政府が「日本人」というだけで守ってくれるような日本で生まれ育った私たちはそれだけでとてもハッピー。だからこそ、せめてやりたいことをやろう、自分の人生をまっとうしようと思い、それを実行に移している彼女。

途上国は「かわいそう」の対象ではないという徹底した信念があったからこそ、マザーハウスという途上国の人たちを真のパートナーとするような会社をつくることができた彼女。


かっこいいなぁ。


何かをはじめるときに大切なのは、説得力よりも情熱からくる狂気じみた妄想と実現させたいという素直でピュアな気持ち―最前線に立つということは、つねに現場にいて、自分の主観を磨いて、数字にあらわれない世の中の動きを感じ歩くこと―


同じようなことを元世銀副総裁の西水さんも言ってたな(Sensing the futureという言葉で)。


社長とデザイナー。両方やるからこそ見える風景もあるのではないかという山口さんの悟り。


これって、家庭と仕事の両立にも言えることかもしれないな。


信頼のベースを形成するのは自分がまず信頼すること―マザーハウスのスタッフは明日会社がなくなったとしてもまた0を1に自分たちでできる人たちなのだという絶対的信頼―


これだけのチームをつくるのにどれだけの苦労をしてきたのだろう。私自身途上国で労務管理をやっていた経験があるので、その難しさは痛いほどわかる。途上国ではいいスタッフを見つけるのだけでも難しいのに、その上チームビルディングとなると更にハードルはあがる・・・


継続することの尊さについて、山口さんは言及しているけれど、私は同じものをロシナンテスの代表川原さんにも感じる。一生コミットするという覚悟。その覚悟から生まれる現地の人たちとの強いきずな・・・かなわないなぁ。


生みの苦しみ
退路を断つということ
小さな変化を喜ぶということ
責任と自由
犠牲と前進
正しい答えなんてないということ・・・


キーワードをあげればきりがないけれど、私は何より山口さんの泥臭い感じに、またたまらなく魅かれてしまう。


自分の気持ちを+-ゼロに戻してくれるそんな一冊です。

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