この仕事をしていると、ビジョンと行動力を持っている人たちに出会えた時に、希望のひかりがパッと灯って目の前が明るくなる瞬間があります。そして、そのひかりが消えないように…といつも祈るような気持になります。
昨日、日帰りでワラップ州の州都のクワジョックを訪問しました。ワラップ州はスーダンの中でもっとも新しい州で、最貧困州の一つでもあります。この州を一つのモデル州として取り上げて、小学校の先生を集中的にトレーニングして、教育の質を改善するというような事業が計画されていることから、この地域の安全確認をするために州警察のトップや州の教育大臣と協議をしました。
州の教育大臣はびっくりするぐらい大きな女性だったのですが(私と並ぶと大人と小人という感じで…こちらに写真がアップされてます http://blogs.yahoo.co.jp/sisido1124/55480548.html )、声や態度はとても穏やかで、州知事代理も務めていらっしゃる方でした。ただしその温和な雰囲気の中で語られる事柄の端々にビジョンや意志が感じられ、久々に「希望のひかり」に出会うことができたなぁと嬉しくなりました。そもそも、3年前にできたばかりの州なので、州政府の建物もコンテナハウス。その周りにはほとんど建物もなく、昔ながらの建物(トゥクル)が並んでいるような状況。州内の別の町へのアクセスも道路がないため難しく、他の州を通っていかなければならず、雨季だと道路が遮断されてそもそも州内の他の地域に行くことはできなくなってしまう…そのため未だに州内の人口の把握も完全にはできおらず…教育については、WFP(国際機関)が学校給食のために食糧の配給を行っているものの、300以上ある小学校の内1/3しかその恩恵を受けておらず、食糧配給のない小学校の生徒たちは、お腹がすくからという理由で学校に来ないとのこと…また、親はなかなか女の子を小学校に行かせたがらないことから、女の子を教育することのメリットを説明することから始めているということでした。このような辺境の地では、国際NGOもあまり活動しておらず、国連の常駐オフィスもないことから、なかなか支援の手が行き届いておらず、小学校の先生たちもhunger for training (研修を心待ちにしている)ということでした。日当がもらえなければ研修に参加しないという政府の役人等もたくさんいる南部スーダンで、このような地域もあるのだなぁと新しい発見でした。首都のハルツームからこの州に行こうとすると丸一日程度かかってしまうのですが、ぜひ今ある「希望のひかり」を灯し続けられるような支援ができればいいなと思いました。この地方に行くために、施設がきちんと整備されていないローカルホテルに久々に泊まっていろいろ苦労したのですが、それでも行って現場を見て協議してきてよかったなと思える出張でした。来年からこの州で始まる予定の研修事業が今から楽しみです。◎クワジョックに行く道の風景
◎州の大臣等のオフィス
◎州の中心部の風景
0 件のコメント:
コメントを投稿