2010年7月16日金曜日

援助依存症

オランダのNGOに勤める友人が、地方のサイト視察から戻ってきた後、ポロリと一言。

「南部スーダンの人たちは『もらうこと』に慣れすぎてしまい、今あるものでどのように生活をよくしていこうかという発想ができない…終了後のプロジェクトを視察しに行ったところ、ほとんどのプロジェクトがうまくいってなかった…それは、みんなが次の援助が来るのを待っていたから…」


国連機関で農民に種子を提供する部署で働く人と協議をしていた時、ポツリとでた言葉。

「南部スーダンの人たちは、種子を欲しがらないんだ。種子より食糧をくれって言われるんだよ…」

『魚を与えるよりも魚の釣り方を教えるのが援助の基本』というのはよく聞く話ですが、言うは易し行うは難し…


ある南部スーダンの州の大臣が私の携帯に電話をしてきて、開口一番に言ったこと。

「君たちは南部スーダンをサポートすると言っているけれど、僕には何をくれるんだ。」



…でも、一方で素晴らしい出会いもたくさんあります。



南部スーダン政府のある新任の大臣と面会していたときのこと。

「私たちは依存の構造から抜け出さなければならないのです。ドナーに『これをしろ、あれをしろ』というのではなく、私たちが自分たちでしなければならないのです。ドナーは我々をサポートしてくれているだけなのです。」


ある農業の大規模スキームで働く南部スーダン人と食事をしていたときのこと。

「私たちは人々を動機づけながら、そして、持続性を考えながら、プロジェクトを実施しなければなりません。人々は自分たちの生活を良くしていきたいという思いと行動する意志を持っています。」


そして、総務省のような役割を担う省庁の次官と協議していたときのこと。

「我々は今10のものをもらっているかもしれません。でも、数年後には3のものをもらうだけで済むように、人々の能力強化を行っていく必要があります。」



きっと世の中には「影」の部分はいくらでもありますが、「影」の部分を知りつつも、それに屈することなく、「光」の部分を目指し続けられるような心の強さと大きさと、そして、仕事の仕方を身につけられるかが結局は問われている気がしています。



◎典型的な南部スーダンの風景

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