2010年1月17日日曜日

Bottom of Pyramid

スーダンへ戻る飛行機の中でたまたま読んだ日経新聞の夕刊の一面に、うちの組織がBoP (ボトム・オブ・ピラミッド)のためのビジネスを支援する制度を新設するという記事が載っていました(1企業につき最大5,000万円の資金援助を行う制度)。

BoPとは、「途上国で年間3,000ドル(約27万円)未満で暮らす層(人々)=約40億人」のことを指し、「潜在需要は5兆ドル(約450兆円)に上る」との試算があります。

この層を対象としたBoPビジネスとは、「途上国向けのビジネスと貧困削減を両立させるための取り組み」を指し、途上国の貧困削減を目指すうちの組織は、日本企業がBoPビジネスを立ち上げるための資金を提供することで、BoPビジネスの活性化を通じた貧困削減を目指します。

ロンドン在住のBoP専門家のSさんが、「(BoPビジネスとは)BOP層が自分の生活をよりよくしようとする躍動であったり、『国づくり』に足りていないものを自分たちでもビジネスを使って作り上げていくことなので、主体はBOP層の人々自身です。(南部スーダンのようなところでこそ)人々が希望を持って、収入を得て、その収入を誇らしげに貯めることができ、安心感を得て、こどものことを考えて、教育費をためたりできる世界を作るための、様々な「必要なものごと」を作っていくことが求められているのではないでしょうか?…」と以前熱く語ってくださったのを思い出しました。

BoPビジネスの芽を南部スーダンでも見つけて、育てるための支援をしていくことができないか…まずは情報収集ですね。


◎改良かまどを使ってお茶を入れる南部スーダンのおばちゃん@木の下のお茶屋さん

改良かまどを導入することで必要な薪が劇的に減り、より多くの収入を得ることができるようになったと嬉しそうに話していました。このようなかまどを農村の女性に提供するビジネスもBoPビジネスの一例ですよね。

2 件のコメント:

kz さんのコメント...

「BoPビジネス」は最近でこそよく耳にしますが、BoPビジネスと通常のビジネスの違いは何なんでしょうね? 需要があるセグメントに対して、その需要を取込める供給の在り方(商品開発、マーケティング、ロジ等)を考え、モノ・サービスを売る。これは通常のビジネスですよね。BoPビジネスは、「需要層が貧困層」という普通のビジネスということになると思うんです。 でも一方で、ロジ面、法整備等整っていないリスクの高い途上国でビジネスをするには、民間企業としては、高リスクに見合う収益率を確保しないとビジネスを継続できない訳で、そういう点で、JICA等国際金融機関が、資本コストが低い資金を提供できれば、民間企業もレバレッジが効いて、リスクに見合う収益率が確保できるのだと思います。この点が、BoPの最大の特徴で、可能性だと思っています。JICA等の国際金融機関が、「需要はあるけど、リスクが高すぎる国」での貧困層向けビジネスに対して、民間企業支援をより活性化させることがとても重要だと思ってます。

Eri さんのコメント...

kzさん。コメントありがとうございます。
ご指摘の通り、BoPビジネスは通常のビジネスと手法はかわらない。ただ、ビジネスの対象者が途上国の貧困層40億人というだけです。むしろ、通常のビジネスと同じ手法を使わずに、フィランソロピー的な要素が強くなってしまうと、結局継続性がなくなってしまう…例えば、日本の経済状況が悪くなると撤退せざるを得ないというように。そのため、どのようにしてBoPビジネスを企業の本業の一部にしていくか…ということが最大のチャレンジだと思いっています。
民間企業側にとっても使いやすい制度にするために、ぜひうちの「民間連携室」のドアを叩いてみてくださいね!