2009年の9月に書かれ話題になったというペーパー’Sudan 2012 Scenarios for the future’(「2012年のスーダン 未来へのシナリオ」Jair van der Lijn著)を読みました。
2012年以降のスーダンの未来には以下の4つのシナリオがあり得るということで、各シナリオが現実となった場合に、どのようなことが起こりうるかがペーパーの中で検討されています。
シナリオ1:(南北は)分離せずに戦争に突入(再び内戦が勃発)
シナリオ2:戦争が起こり、かつ分離する(境界をめぐる紛争)
シナリオ3:分離も戦争も起こらず(CAPに沿ったシナリオ)
シナリオ4:分離するものの戦争は起こらず(ソマリアの再来か)
シナリオ3が最も暴力的でなく望ましい選択肢であるものの、一方で、最も実現されなさそうなシナリオであるとも書かれています。
シナリオ3を実現させるためには、国際社会からのプレッシャー(CPAに係る新たな国際的合意文書の締結)と南部のリーダーシップの発揮(北部スーダンの野党のとりまとめ)が必要だということですが、2010年1月の時点では、これら2つの動きは残念ながら見えてきません。
どのシナリオが実現された場合でも、小規模な紛争は続くだろうと予想されていますが、最も暴力が少なく、また、経済的損失も少ないシナリオに落ち着くためには、何が必要となってくるのでしょうか。
ペーパーの中では、
・2012年以降のことについて今の段階から検討すること
・自由で公正な選挙を実現させること
・国際社会が積極的に南北の調停に入ること 等々
リファレンダム(南部の独立を問う住民投票)まであと1年をきりました。
果たして世界で一番新しい国は来年誕生するのでしょうか…
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