2009年10月4日日曜日

『体は全部知っている』

というタイトルの吉本ばななの本をもう10年近く前に読んだのですが、今回病気になってこのタイトルをふと思い出し、「本当にその通りだなぁ」と実感しました(ちなみに本の内容は全く覚えていませんが…)。

一週間お腹をこわしていたのに加え、木曜の晩から何度も吐いていたものの、熱は微熱ぐらいしかないので、疲れがたまってきたのかな…というぐらいに考え部屋で休んでいたのですが、あまりにも体が重いので次の日は一日仕事を休ませてもらいました。しかし、良くなる気配はなく…それでも病院が嫌いな私は「あと一日様子を見てそれでも辛かったら…」と心に決めていたのですが、同僚に「病院に行きましょう」と言われ、ドライバーにも「どこまでも迎えにいくから」と何度も電話をもらったので断りきれなくなり、重い腰をあげて、病院に行くことに…

病院に行っても、待合室にいるときには何度も帰ろうと思ったのですが、ドライバーが私を見ていたので逃げられず…呼ばれて診察室に行くと、しばらくしてサッカーのユニフォームのようなTシャツとジーンズを着たウガンダ人の男性が現れ、「妊娠してる?これからする予定はある?」といきなり聞かれ面喰いました…「いや、将来的には子供は欲しいですが…」とかぶつぶつ言っている間に、診察はすぐ終わり、検査をすることに。ちょっと心配になって、日本の父親に電話して「大丈夫かな?検査するって言っているけれど受けた方がいいかな?」と聞くと、「そういう医療施設しかないようなところに行くっておまえが決めたのだから、そこでみてもらうしかないだろう」と言われ、その通りだ…と心を決めて診察室へ。さっそく採血をしたのですが、その途中でも嘔吐…意識が朦朧とする中、ベッドに連れて行かれ、点滴を何本も受けることに…

上司には「駐在は、3日目、3週間目、そして、3ヶ月目が病気になりやすいみたいだから」と言われていたのですが、駐在して3ヶ月たった今、ついに病院のお世話になることに…

高い熱や関節痛はないため、マラリアではないと思っていたのですが、先生の診断結果はマラリア…ただし、下痢と嘔吐で薬も飲める状態ではないため、まずは薬を飲める状態に体をしましょうということで、お尻に注射をされてその日は帰りました。吐き気がなくなるだけで、絶望的な気持ちもどこかにいってしまったことが驚きでした。やっぱり病院に行ってお医者さんの言うことはちゃんと聞くものですね…点滴も注射も拒んだのですが、私の力ない言葉には耳を傾けようとせず、お医者さんや看護婦さんは容赦なく採血や注射や点滴を繰り返し、いろんな液体が私の体の中にどんどん入っていくのを見ながら、私の小さな体の中によくもこんな大量の液体が入っていくものだなぁと朦朧とした意識の中で見ていました。この処置だけで、かなり体が楽になり、体が楽になると心も楽になって…次の日に病院に行って、点滴をしてもらった時にお医者さんから「Your life is back!」と言われて心からホッとしました。マラリアの薬を3日分もらい、今はホテルでおとなしくしています(※現地のお医者さんはマラリアと言っていますが、日本人のお医者さんや看護婦さんにメールや電話で相談したところ、「その症状はマラリアではないと思います」と言われたので、やっぱりマラリアではないのかもしれません…)。

体は私の気付かない不調に先に気づいていろんな信号を送ってくれていたのだなぁと振り返って思いました。ちょっと疲れているだけかな…なんて思わずに、体が送ってくれる信号をきちんと受け止めてもっと早く対処していれば、こんなに苦しむ必要もなかったかもしれないので、今後はもっと気をつけます…

体調をずっと崩していた一週間、体も小さければ体力もあまりない私がこのような環境で仕事をするということ自体に少し無理があるのかな…と弱気になっていたのですが、体が回復してきて、逆に、このような環境で元気に働けること自体にもっともっと感謝しなきゃなと思いなおしました。駐在が決まったときに、「なかなかタイミングがあわないと女性は駐在する機会も逃してしまうものだから、この機会を大事にね」と女性の先輩がエールのメールを下さったことを思い出し、いろんなことを「当然」と思ってはいけないなと、今回の病気を通して再確認しました。

久々に病気になって、異国の地で病院に行ったら、大学4年生のときにバックパッカーでブラジルを歩き回ったときに、最後にサンパウロで病院のお世話になったことを思い出しました。あの時も採血のときに気を失ってしまい、ベッドに運ばれたな…そのせで、ブラジルの最大の観光スポットのイグアスの滝を見る機会を失ってしまったんだったなぁ…それにしても、病院を出た後にサンパウロにある日本人街に行って食べた日本料理は本当においしかったな…

ジュバには、残念ながら日本料理はないのですが、看護婦さんには「もう、好きなものを好きなだけ食べてもいいですよ」と言われたので、食べられることの幸せ、そして食べたいと思えることの幸せをかみしめながら、今晩は何を食べようかなと考えています。

◎私の部屋の前でたくさん実をつけているマンゴ





3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

えり様

 赴任3ヶ月目の病気、大変でしたね。
読んでいるこちらがドキドキしましたが、
回復して、また心新たに仕事に取り組もうと
しているのを知って、嬉しく思っています。
月なみですが、本当に体に気をつけて、
これからもがんばってくださいね。
 こちらは秋も深まり、道ばたのコスモスが、
目を楽しませてくれています。
 ただ、非常に強い台風18号が接近していて、
明日は全国的に暴風雨の恐れありとのこと。
いろんな秋が通り過ぎていきます。
 それではお元気で、また。
             sasayuri
 
 

yoko さんのコメント...

海外で病気になるのも不安だし、海外で病院に行くのも、もっと不安ですねぇ。身体も人によって個性があるから、それを知らない人に勝手に判断されるのも怖いですね。まさにまな板に乗った鯉です。なんでもそうだけど、最後は体力勝負。その人の生命力ということになってくるんだと思います。日ごろから、どうぞ、睡眠、食事など基本的な生活に十分注意してください。

Eri さんのコメント...

sasayuriさま、yokoさま
メッセージ、ありがとうございます。
おかげさまで今はお酒が飲めるぐらい回復しました(笑)。
やっぱり体が資本だなと実感です。
小さな体で、みんなに心配をかけてばかりですが、せめて体だけでも緒方貞子さんのような「小さな巨人」になれるようがんばります^-^