国境なき医師団(MSF)から去年の12月に出されたレポート‘Facing up to Reality’。
南部スーダンでは、ドナーの重点が緊急援助(目の前の危機を乗り越えるための短期的支援)から開発援助(より長期的な安定・発展を目指す支援)に移ろうとしている中で、緊急援助のフェーズはまだ終わっていないということを現場での実例を示しつつ国際社会に警告するレポートです。
また、ドナーがNGOにアカウンタビリティ(援助の透明性)を求めすぎるあまり、人道的な危機が起こった場合にNGOが機動的に対応できない状態が生じ、その結果、救えた命が救えなかったと訴えています。
女性・子供を殺傷の対象とする部族間紛争、病気の蔓延(マラリア、Neglected Tropical Disease等)、ウガンダの元反政府勢力(LRA)による攻撃…MSFによれば、2009年は内戦終結以降最も暴力的な年だったとのこと。
うちの組織では決して立ち入ることのできないような危険な地域ばかりで活動を続けるMSF…
現場で奮闘する医師たちの献身に頭が下がる思いです。
‘The focus on the CPA and its development aid components should not come at the expense of independent emergency humanitarian relief that can save lives today.’(「南北の包括的和平合意とその履行にかかる開発援助を重視するあまり、今日救える命を犠牲にすることは許されない。」)
『Facing up to Reality』国境なき医師団より
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